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中村 幸治; 西尾 敏; 芳野 隆治; C.E.Kessel*; S.C.Jardin*
プラズマ・核融合学会誌, 72(12), p.1387 - 1396, 1996/12
TSCコードを用いてITER-EDAトカマクにおけるディスラプション時のVDE挙動とその加速機構を調べた。ITERトカマクでは、急激なコラプスが生じてもVDEが発生しないことを示した。コラプスに続いて生じるプラズマ電流クエンチによって引き起されるVDEは、プラズマに作用する上下の不平衡電磁力が主因であること、さらに、ITERの工学設計の標準配置において、この不平衡電磁力が小さいことを明らかにした。これらの機構解明によって、ITERでは急激なVDEが発生しないことを示した。
中村 幸治; 芳野 隆治; N.Pomphrey*; S.C.Jardin*
Journal of Nuclear Science and Technology, 33(8), p.609 - 619, 1996/08
被引用回数:8 パーセンタイル:58.7(Nuclear Science & Technology)非円形トカマクのディスラプション放電において頻繁に観測されている垂直移動現象(VDE)をトカマクシミュレーションコードを用いて調べた。プラズマ圧力の急減(崩壊)やこれに引き続いて起こるプラズマ電流のクエンチ(Iクエンチ)などのディスラプション現象が、VDEを安定化すると考えられていた抵抗性シェルによって不安定化作用を生じ、この逆効果を通じてVDEを加速することを示した。Iクエンチが上下非対称なシェルを有するトカマクで生じると、垂直方向にアンバランスな吸引力が生じ、これによって更にVDE加速が起こることを示した。シェルの幾何学的配置がVDE挙動を特徴付けること、VDEの成長率が崩壊の規模、Iクエンチの速度、更にディスラプション直前の外部磁場のn指数に強く依存することを示した。JT-60Uの実験において、ディスラプションが起こる前のプラズマ垂直位置を最適化することで、Iクエンチ駆動型のVDEを緩和することに成功した。